天皇陛下、異例の『生前退位』ご意向表明。何が変わる?

2016年8月8日 15時、天皇陛下が国民に向けて『生前退位』のご意向を表明されました。

80歳を超え体力面での様々な制約が出てきた。高齢となりこれから先、どのようなあり方が望

ましいのかを考えるようになってきた。

天皇として即位して28年、国の象徴として喜びや悲しみとともに過ごしてきた。

国民の幸せを願い、傍らに立ち、耳を傾け思いによりそうことが大切と考え、常に国民ととも

に在るという自覚を持っていた。

高齢になるにつれ、その全身全霊をもって象徴としての務めを果たしていくことが難しくなっ

てきた。

しかしながら、その公務を減らしていくのは無理である。

またご崩御された場合、喪儀は1年間にもおよび、社会が停滞し国民の暮らしに影響が及んで

しまう。

皇族・家族が体力的・精神的にも厳しい状況になってしまう。

国政に関する権限は有していないため、『退位』とは直接おっしゃらないながらも「象徴天皇

が常に途切れることなく安定的に続いていくことを念じ、国民の理解を得られることを願う」

としてお言葉を締めくくられました。

生前退位の検討は数年前から

「天皇陛下が生前退位のご意向」を示されているというニュースは7月13日に日本中を駆け巡

りました。

2011年の記者会見で秋篠宮さまが「陛下の公務について、定年制というのは必要になってくる

と思います。」と発言されています。

皇太子さまも「両陛下に過度の負担がかからないように配慮が重要。」と述べられています。

陛下は過去に2度の外科手術を受けられていて、2012年に心臓冠動脈のバイパス手術を受けら

れて以降宮内庁は徐々に陛下のご公務を減らしています。

こうした中で、2012年7月以降、月1回のペースで宮内庁長官を交え懇談をされてきており、

皇太子さま、秋篠宮さま、美智子さまの助言もあり生前退位のご意向を固められたのではない

かと思われています。

生前退位でなにが変わる?

「生前退位」は現在の『皇室典範』に規定がありません。

江戸時代以前の皇室では、存命中の退位や皇位を譲る護位は普通のことだったが、明治期以降

の日本では皇位継承は天皇の崩御に伴って行われています。

生前退位が実現すると、約200年ぶりになります。

皇室典範は、憲法に基づいて定められている法律で、生前退位には皇室典範の改正や特別立法

が必要になってきます。

天皇のご意向を受け、安倍総理は「きちんと受け止め、どのようなことができるのかしっかり

と考えていきたい。」と語っています。

これから有識者会議も行われていくのでしょう。

では、生前退位をされた場合、なにがどう変わるのでしょうか?

両陛下の呼び方

皇太子さまが天皇に即位された場合、美智子さまは2000年に崩御された良子皇太后のように

「皇太后」になります。

天皇陛下の場合は近代になってからの例がありませんが、「上皇(じょうこう)」と呼ばれる

のではないでしょうか。正式には「太上天皇(だいじょうてんのう)」といいます。

秋篠宮さまは

皇太子さまが天皇に即位された場合、秋篠宮さまは天皇の長男ではないので皇太子にはなりま

せん。

現在では「皇太弟(こうたいてい)」となる可能性があります。

今の元号は

陛下が崩御されなくても、天皇が代われば元号は変わります。

漢学者が3人選ばれて元号の案を3つ首相に出し、天皇の裁可を得て公式に官房長官が発表しま

す。

退位後両陛下とは会えなくなるのか

法で定められている義務的行事でなければ、お二人が参加されても問題はないので、今までの

両陛下の国民との交流を考えれば、今後も体力や日程と相談で皇太子ご夫妻のサポートをされ

るのではないでしょうか。

国民の思い

国民のほとんどは「天皇の意向をくんであげたい」との思いのようです。

今後は有識者による検討、法案作成、国会の承認を経て、それと並行して即位の準備もあり、

実際に退位されるには数年かかるのではないでしょうか。

陛下が名誉総裁を務めることになるはずの2020年の東京五輪をひとつの花道として退位してい

ただく想定があったそうです。

早まっても遅くなっても良い時期に穏やかに退位されていただきたいと思っています。

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